10月5日(日)
今日は昨日疲れていてできなかったおそうじをみんなで開始。雨季の間に数ヶ月空いたおうちは、すっかりカビだらけ。それでなくても、なぜか、到着直前にペンキの塗り替えの終わったおうちは、ペンキくさい!窓も戸も全開でやっと眠れたのです。ペンキとカビの臭いのマリアージュ。最悪です。ホテルなのに、なぜか雑巾がけしたり、食器を洗ったり。まるで別荘のよう。食品も整理します。日本人専門家はビジネスクラスで来るので、34kg(だったかな)の荷物を3つくらい持ってこれます。1年に数人が複数回往復するので、日本食が豊富!ブルキナでは日本食が手に入らないので、貴重です。
終わって一息ついて、さあ、今日はマルシェへ。バンフォラには大きな公の常設市場が2つあるのですが、毎週日曜日は大きな市が立ちます。周辺の村々から野菜や雑貨、工芸品等々、ありとあらゆるものが揃います。もちろん、シアバターも!
雨の多いバンフォラは野菜や果物、魚が豊富。隣国コートジボワールとの国境も近く、おいしいものが揃います。一通り野菜や卵、バター等々を買い、みんなで仲良くお昼。
やっと、バンフォラに帰ってきた実感がわいてきました。
10月6日(月)
今日は朝から書類書き。お昼過ぎもせっせと書いているとなんだか雲行きが怪しい。
アフリカの雨季の雨は降る時がわかります。たいていは、まず温度が高くなり、風が吹く。空が暗くなり、雷が聞こえ、まもなく大雨がやってきます。
今回もすごい大雨でびっくり。バンフォラはやっぱり雨が多い。こうなると、雷で壊れてしまうことがあるため、コンセントはすべて抜きます。7月の滞在では、このホテルのすべてのTVが壊れたとか。ホテル経営も大変です。雷ガード、つけないのかな・・・停電もしばしば起こります。でも、なぜか途中よりも、雨の始まる前が多い。
「コンセントよし、懐中電灯よし」と確認し、ノートPCでお仕事を続けていると、なにやら水しぶきが腕に。。。いやーな予感がして振り向くと、雨漏り!!!しかも、部屋のど真ん中。ベッドを急いで動かします。
急いでバケツを持ってきてみると、たまる水が赤い!!!
上に死体か何かがあったらどうしよう、なんて怖がっていると、もう一箇所別のところで雨漏り。
2つ目のバケツを持ってきて、やっと他のところも心配になり、見て回ったところ、私のお部屋だけの様子。帰ってきた他の2人も心配そう。なんでも、屋根裏に使ってある防水のための材料が、この赤い色となって落ちてくるのだとか。しかもかなりの毒性らしく、だから濡れた床で数匹の虫が即死したんだ、と変に納得。一応、明日修理に来てくれるらしい。寝てるときじゃなくてよかった!!!
10月7日(火)
今日はDakuyo先生という薬学博士と面会です。2003年にバンフォラにきたときからのお知り合いです。この先生、薬局も経営しているのですが、同時に伝統医薬の会社も経営しています。元々、保健省で伝統薬の部署の立ち上げをした人物。
1978年に出されたアルマアタ宣言というものがあります。これは健康を基本的人権として認めたもので、そのために「プライマリーヘルスケア」という概念を打ち立てました。簡単に言うと、プライマリーヘルスケアとは「健康であることを基本的な人権として認め、全ての人が健康になること、そのために地域住民を主体とし、人々の最も重要なニーズに応え、問題を住民自らの力で総合的にかつ平等に解決していく方法・アプローチ」だといえます。結構難しいんです、この概念。
そういった背景のもと、身近な伝統薬が見直され、伝統的薬草学(漢方みたいなものですね)が専門の彼がフィールドを駆けずり回り、伝統的な医療者を調査し、本当に効果のあるものだけを厳選して、製品化したというわけです。現在ではブルキナ中の診療所や薬局で買うことができます。
そんな彼はブルキナきっての発明家でもあり、起業家でもあります。イデオロギーに流されやすく、伝統薬をあっという間に日陰の存在にした保健省を飛び出し、自分で会社を作り、現在に至ります。すべて機械は自分で設計し、マラリア薬だけでなく、発毛シャンプーや精力剤、痩身茶なんかまで作っちゃう。そして、薬草石けんも作っています。
しかも、そんなビジネス面だけではなく、森林保全もきっちり考えています。それもそのはず、彼は誰よりもその尊さを実感しているからなのです。日本人にモテモテの先生は、JICAのプロジェクトとも仲良し。彼らの村人向け研修(確か、持続的な森林資源の採取方法や薬草栽培方法)にも参加しています。
今回、彼に石けんのサンプル製造を頼みます。もちろん、日本でもサンプル製造をするのだけど、一度どんなもんか、こっちでもやってみようと思ってお願いしました。
丁度、明日、石けん作りをするというので、朝イチで見学をお願いしました。
他にも、今回の石けんプロジェクトについて、しばし議論。彼の参加は重要です。なにせ、外国製造業者として認められないといけないのです。薬剤師で伝統薬の専門家で、石けん製造の実績のある彼の参加は必要不可欠なのです。
なんでも、彼の石けん、最近は月産1万個らしい。よく売れてます。今日もカナダから10箱の依頼があったとか。
さあ、明日の石けん作りの見学、楽しみですね。
10月8日(水)
今日は朝から石けん作りの見学です。まずは昨日型入れした石けんのカットから。
型に入れた石けんは、こんな風に寝かせてあります。
2人がかりで型を抜き・・・
型がはずれたら・・・
カットの機械に移し・・・
ゆっくりハンドルをまわし、カットします。
今度は方向を変えて
また、カット。
ひとつづつ、ばらして、板に並べて
乾燥室に運び
棚に並べます。
今度は、石けん仕込み。
これは既に準備されていた、薬草浸出液と苛性ソーダを混ぜたもの。
クレイも量って、先ほどの液に入れ、混ぜ合わせます。
これと油をまぜて、ぐるぐるまわします。
ぐるぐる・・・1時間弱まぜます。かなり硬いトレースが出るまで混ぜます。なんでも型が古くなって、もれちゃうのだとか。
型に流し込み、表面を均します。真剣。一晩寝かせて、明日、カットです。
今度は昨日カットした石けんの刻印うちです。
すべて手作り機械のDakuyo先生。これも手作り。こんな感じで二人で協力して進めます。
真剣。
できあがり。
これが包装されて、店頭に並びます。乾燥は14日。日本とは少々作り方が違います。それにしても、鹸化反応が早くてびっくり。そう、ここは暑かったのでした(笑)
10月9日(木曜日)
今日は昨日の腐りかけたジャガイモが当たったようです。毎日、なにかと地雷があり、たまに踏んじゃうと、こんな事態になります。いや、気をつけましょう。。。