2009年01月12日

シアバター研修一日目。

10月28日から5日間、Banforaでお世話になっているJICAのプロジェクト「コモエ県における住民参加型持続的森林管理計画」が指定保存林住民管理グループ向けに実施するシアバター品質向上研修に参加させてもらいました。

朝、5時に起きて、6時に出発。8時から始まる研修に間に合うかしら・・・ブルキナタイムだから大丈夫じゃない?なあんて言いながら、出発。もちろん舗装なしだけど主要な街道をガーナ方面に向かってひたすら走ります。今年度の研修は2つの講師ペアによって一度に2つずつの村、合計6つの村で実施されます。来年度は拡大予定みたいです。

でも、なぜか数日前から連絡が取れないメイン講師の女性。彼女が担当していそうな村を選んで、そちらに向かって進みます。2つの村は、そんなに離れていないと思われるのですが、車で移動に1時間くらいかかります。なんせ、車がやっと進めるような道をたどらなければいけないのですから。

8時過ぎ、一つ目の村に到着してみると、そこの村の住民管理グループの秘書やグループ副長などの人びとは「そんな研修知らない」「そんな女性講師は来ていない」と言います。「やっぱり。結構、こんなことがあるんだよねー」なんていいつつ、連絡を取って見ることにしました。最近は、こんな奥の村でも携帯電話が使えます。でも、1軒の土作りの小屋の中の、ほんとに小さなアンテナが設置してある、その周囲50cmくらいだけ。夜はもっと広がるみたいなのなのですけれど。電話、かかりません。そりゃそうです。向こうも奥地の村にいるのですから。

そうこうしているうちに、事前に運び込んだ研修道具がどこにあるのかという話になりました。村の入り口の倉庫にあるらしい、ということがわかり行ってみると、その倉庫の前で既に研修は始まっていました。そこのほうが「かまど」があったりして、研修がやりやすかったらしく場所が変更になっていて、みんな知らなかったということみたいです。

聞くと、研修講師達は、村の様子を知り、その状況にあわせて研修を組み立て、住民と信頼関係を結ぶために、3日も早めに村に入っていたということでした。そのためのお金、出ませんよ、もちろん。JICAプロジェクト側がお願いしたわけでもありません。連絡せずにやっちゃったという問題はあるにせよ、こういう真剣な仕事を見聞きすると、ブルキナファソの大きな可能性を感じるんです、はい。

PIMA.JPG彼女達は現在(研修前)の参加者たちの知識や実践を知るための事前アンケートをしているところでした。木陰に集まって、みんな真剣な表情です。

しばらく見ていたのですが、メイン講師はもうひとつの村にいるということで、そこに行って見ることにしました。ふたたび、獣道のような道を、遊園地の乗り物みたいに激しく揺れながら走ること1時間。その村でも大々的に研修がはじまっていました。

研修は現地の市民団体が実施しているのですが、そのディレクターをしている女性がメイン講師です。彼女、実はすごい人でした。周辺では非常に有名な政治家&市民運動家である一方、3回連続で国のシアバターコンテストで優勝した人だったのです。あまりにも優勝が続いたため、5年間、コンテスト出場停止になったそうです。元々、アメリカ在住で非常に著名な「マダム・カリテ=シアバター夫人」と呼ばれるブルキナベ女性の一番弟子として修行したそうで、二言目には「よいバターを作るには、バターとバター作りが大好きでないと、愛がないとダメなのよ」と語ります。なんだか、素敵な予感がします。

この日の研修内容は、実技が「選別」⇒「洗う」⇒「乾燥」⇒「2回目の選別」で、講義は「正しい方法」「悪い方法」です。

ブルキナではシアバターとは言わず、フランス語を使い、カリテと言いますので、以降はカリテ、カリテバターと言います。余談ですが、西部方面で主に使用されている言葉「ジュラ語」では、カリテバターのことを「Situlu」と言います。カリテの木は「Siyiri」、つまり、カリテのことは「Si」というのです。シアというのは、ここから来ているのかもしれませんね。

カリテの木には緑の5,6cmの実がなります。ねっとりと濃い味です。中にナッツが入っていて、この仁の部分から、カリテバターを取ります。このナッツ、6月ごろの収穫時から保存するのですが、その保存の仕方も、カリテバターの質に大きく関係してきます。今回は、研修講師が高品質なナッツを探して購入してきてくれています。


さて、私達が到着したときには、既に1回目の選別が終わり、洗浄に入っていました。まず、お湯を入れて、ざっと洗います。まっ茶色になった水は数回替えます。
洗っている最中.JPG
洗う.JPG

こんなにきれいになります。
洗浄前
洗う前.JPG

洗浄後
洗った後.JPG

ビニールシートの上で乾燥させます。
乾燥.JPG

講義の様子.JPG乾かしている間に講義を行います。読み書きができない女性が70%以上のブルキナ。村ではその割合はもっと増えます。なので、絵を使って講義を進めます。配布した絵のどこが悪いのか、どうするべきなのかを話合います。






ひととおり終わったところで、お昼になりました。みんな、三々五々、お家に帰ってお昼ごはん。車に戻ってふと荷台を見ると、にわとりさんが2羽、結び付けられています。そうです、ブルキナではもうすぐお祭りシーズン。ただでさえ、村に行く機会があると、ブルキナファソでは地位に関係なく、農産物を買って買って買いまくります。祭り前ともなるとエスカレートし、出張の帰りにはものすごい荷物を積んで帰るはめになります。このにわとりさん。運転手さんのお買い物でした。確かに安い!お買い物上手です。

選別.JPGお昼からは2回目の選別に入りました。みんなでバンフォラ周辺で特産のかごを使って、上手に選別してゆきます。





これが使用不可とされたナッツです。
使用できないナッツ.JPG

こういう作業、ブルキナ女性はお手の物。私もやってみたけれど、みんなのようにうまくはいきません。ブルキナに比べると日本人って確かに経済的発展は享受しているかもしれないけど、人間としての能力は劣っているところも多いなあ、と大きく実感。




この日、帰りにもうひとつ別の場所で実施中の会計研修に寄るため、15時頃、村を後にしました。研修講師たちは、もちろん、ずっと泊り込みです。私達は18時には町に到着したとは言え、なんだか移動だけで疲れて、ぐっすり眠ったのでした。

posted by A DANSE at 03:49| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
Posted by 履歴書のカバーレター at 2013年06月17日 10:56
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。